立花課長は今日も不機嫌
――――――――
――――――
夕べの顛末を沙月に話し終えると、会社にほど近いデパートへと向かった私。
付き合おうかと興味本位で着いてきたがった沙月から何とか逃げ切り、めったに足を踏み入れることのない3階の紳士服コーナーへ着いたのだった。
沙月の言った通り、それは小物コーナーに見つけることができたのだけれど、ガラスケースに入っているとは思いもしなかった私。
……もしかして、万年筆って高いの?
まさか。たかがペンだ。
そう思い直して値札を観察すると、二度目のビックリに襲われた。
――こんなにするの!?
ズラリと並んだ万年筆には、万単位の値札が付けられていたのだ。
視力には自信がある。
仕事でずっとパソコンを見てたから、私の目に疲労がたまっているのかもしれない。