立花課長は今日も不機嫌

「お酒……そうですね、えっと……ワインはよく飲みます」

「あら、それじゃ結構強いのかしら」

「いえっ、飲むといっても、1，2杯ですから」


それ以上は眠くなってしまう。
弱くはないけれど、強くもない。


「それじゃ、ワインベースのものを作ってみるわね」

「お願いします」

「海人は、いつものでいいわね」


立花さんの返事を待たずして、良樹さんはカクテルの準備をし始めたのだった。


――そうだ。
大事なことを忘れるところだった。


自分が置かれている状況は今一つ理解できないけれど、この分だとすぐに帰ることは難しそうだ。

だとすれば、プリマベーラに今日はお休みすることを言わなくちゃならない。

立花さんに「ちょっと失礼します」と告げ、レストルームへと向かった。