移行期間。





帰ってからも、部屋にこもって、一人、考えていた。


真下は好きと言ってくれた。


こんな私を好きと言ってくれた。


でも…


私は篠原が好きで。


篠原には好きな人がいる。


好きな人がいるってわかってて、それでも篠原を想っていられるほど、私は強くない。


でも、だからと言って、中途半端な気持ちで真下と付き合うこともできない。


私はイヤなんだ。


今の関係を壊すのがイヤなんだ。


真下との友情を壊すのも。


篠原を諦めるのも。


どっちもイヤなんだ。



もうわからない。


私はどうすればいい?


私はどう思ってる?


私はどうしたい?


何もわからなかった。


自分の気持ちさえもあやふやで。


何も見えなかった。






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