移行期間。





今日は最後の日ということもあって、告白合戦だった。


みんな好きな人を呼び出して告白してる。


モテる篠原は大忙しのようだ。


話し掛ける勇気さえない私は、そんな様子をため息を繰り返しながら眺めることしかできなかった。





「高瀬!!」


振り返らなくても誰だかわかる。


大好きな人の声。



最後だから…


きっと、最後だから…


ちゃんと笑わなきゃ。


私が笑って振り向いたら、きっと笑い返してくれるよね?


そしたらまた、笑いあえるかな?


きっと、最後のチャンスだから…


今、ちゃんと笑わなきゃ、もう元には戻れない。


だから…


「な、何?あ、てか篠原、好きな子に告白しないの?」


精一杯笑った。


ただまた篠原の傍で笑っていたくて。


篠原の笑った顔が見たくて。


だから…


お願い。


笑ってて…


そう願いながら、ゆっくり振り返った。






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