移行期間。
次の日学校に行くと、私はいつも通り篠原と話していた。
「篠原、ボーッとしてると好きな子とられちゃうよ?」
篠原の反応がそっけなくてちょっとムカついたからまたからかってみたら。
「うっせぇ。」
「何怒ってんの?ムカつく。」
「お前には好きなヤツいないからわかんないんだよ。」
とか言いだしやがって。
だから
「私にだって好きな人くらいいますぅ〜」
って言ってやった。
「好きなヤツいたんだ?」
「一応。何、いけない?」
「いや。ただお前と付き合ってくれるヤツなんかいるのかなぁって思って(笑
だって可愛いくないし。優しくないし。気、きかないしさぁ。」
「はぁ!?
…篠原最低!!」
ありえない!!
そりゃ、私は女らしくないよ。
ダラしないし。
片付け下手だし。
料理だって得意ってわけじゃないし。
でも、言っていいことと悪いことがあるじゃん。
冗談でもそれはさすがにキツイよ…
だってやっとできた好きな人だよ?
しかも本人から言われるなんて…
私だって傷つくよ。
いつも笑って受け流せるわけじゃないよ。
そんなに大人じゃないよ。
強くなんてないんだよ。
ねぇ、わかってる?
私、女の子だよ…?
涙を堪えきれなくなって。
階段を駆け上がり、一人屋上で泣いていた。