女神の微笑み
その何かが白鳥にはわからない。

一度でもいいからこの子の本当に喜ぶ顔が見たい。

いつしか白鳥にはそれこそが、今ある最大の目的とも言えるほどになっていた。
でも、アヤは決して他人に本音を口にしない。

だからこそ、この世に<アヤ>を知る者は、誰一人としていないのだ。

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