女神の微笑み
母親の稼ぎもなくなり、近いうちには母の入院費だって必要になるだろう。

そして何より、冗談で母が口にした世界三周を、半周でもいいから、実現させてあげたいと思っていた。

「大丈夫?気にしなくていいよ。アヤに嫉妬してるだけなんだから」

アヤを慕ってついてくる、奈緒(なお)が言った。目がクリクリとしてかわいい顔の女だ。

「ありがとう、じゃぁお先」

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