女神の微笑み
「アヤ?気持ちいいよ!なんで帰っちゃったの?早くおいでよ何してんの?」
なんでだろう、何か違う…いつものユミじゃない?どこかいつも以上に興奮し、落ち着きがないように聞こえるユミの声。
気持ちいい、という一言がなければそう感じなかったかもしれない。
「どうしたの?そっちこそ何してるの?」
「いいから早くおいでよ!拓也んちにいるから」
拓也とは、さっきまで一緒にいた男のうちの一人だ。もう一人は確かマサヒロと名乗っていた。
「わかったから場所教えてよ」
いつものアヤなら断っていたかもしれない。でも今はユミの様子がどうも引っかかる。いつも自分を慕ってついてきてくれるユミをほっといてもおけない。
アヤは行くことにした。
ユミの教えてくれた場所をたよりに、アヤはタクシーに乗った。


今、アヤの目の前にあるマンションの301号室。そこが拓也の家であるらしい。何で私が、心のどこかではそんな思いもあったのかもしれない。でも、やはり心配ではある。何故<心配>と思ったのかはわからないが…エレベーターに乗ってすぐ、301号室はわかった。
ピンポーン
しばらく待ったがなんの返事もない。

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