女神の微笑み
アヤは母の手をとり、「行ってくるね」と一言残し、<楓>に向かった。

この時アヤの中で、ある決意は固まった。

10日後の給料日、これまで貯めた全ての金を使って、母を連れだし、贅沢旅行に連れていこうと。
最後の思い出を残そうと。

でも、アヤのそんな思いは結局、残酷なほどに踏みにじられることになるのだった。

もちろん、そのことを、アヤはまだ知らない。

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