女神の微笑み
それと同時刻、ある女が、一目で堅気ではないと見える風貌の男と共に、一軒のバーにいた。

緩やかになびく髪にあてた毛先のウェーブがさりげない。

澄んだ瞳は輝きを失い、気品のあった口許は笑うことを忘れたかのようであった。

決して失うことのないその美貌だけが、今も変わらずその輝きを残していた。

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