女神の微笑み
人目を気にし、元気づける自分を演じながら、我が家に連れていくことを決めたのだ。
「いいよ、別に気にしなくて」
体はひどくだるいのに、眠ることができない。ただうなだれて、交わす言葉は、「だるい」とか「眠れない」とか、そんな一言のみ。ただ時間だけが、過ぎていた。
そんな中アヤはふと母が処方されている睡眠薬がどこかにあることを思い出した。
「ちょっと待ってて」
そう言い残し、重い体を起こし、母の寝室へ向かった。タンスやクローゼットをいくつか開けて調べているうちに、すぐにそれは見つかった。そのあしでキッチンに向かい、水と一緒にユミ達の待つアヤの部屋へ持ち帰る。
「これ、飲んで?」
「何?これ」
ユミとさくらがお互いを見合わせて答えた。
「睡眠薬だよ」
「やったッ!」
ユミが答え、さくらもうれしそうに、でも力なく微笑む。そして結局三人は、通常より少し多くそれを飲み、残りをアヤが母の寝室に戻してきた。
「これで寝れるかなぁ?」さくらが言った。
「これだけ飲めば大丈夫だよね?」
ユミもアヤに問いかけてきた。
「うん、多分ね」
その後しばらくの沈黙が流れ、処方されてる睡眠薬が強いものであったせいか、三人は深い眠りに、おちた。
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