女神の微笑み
「ねぇ、風間さん…抱いてよ」

二人は今、風間がさくらに買い与えたマンションの一室にいた。

ソファーに腰掛けていた風間も当然、あの日以降、さくらが変わってしまったことには気がついていた。

でも、行き場を失ったように今を生きているさくらをも、風間は愛しいと思った。

愛してしまったがために、今はもう、さくらの全てを愛しいと思うのかもしれない。

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