女神の微笑み
序章
17年、母と過ごしたその家で、アヤは今日も目を覚ます。なんとなく仲のいいユミ達の間で人気の、ディズニーでいっぱいになってしまった部屋である。 (今日もまた学校…何のため?…)朝目が覚めるたび、アヤが最初に思うことのひとつだ。
猪狩(いかり)アヤ17歳。高校二年生。
幼い頃に父親を亡くし、今は母一人子一人での二人家族。
その思わず男達が息を呑む、スラリと伸びて優美な肢体、澄んだ瞳に均整な顔立ち、モデルや芸能プロダクションのスカウトもまた何度となく受けているほど、美しい少女だ。
もっともいつの頃からか、そんな自分の存在意義や価値すらも、見い出せなくなっているのがこの今のアヤなのだが。
ピンポーン
インターホンが来客を告げる。
ふと携帯電話に目をやると、ユミからメールがきていた。
<今日学校行くよね?今から迎えに行くね!>
少々強引な気がするが、これが城崎ユミの性格である。
(とにかく起きるか!)
アヤはパジャマ姿のままリビングに向かう。
そこには母親に招かれたユミが腰掛けていた。
呑気にコーヒーなんか飲みながらだ。
「おばちゃん、いつもありがとう」
それほどうちの母と仲が良いわけではない。ユミは敬語をあまり使わないのである。
猪狩(いかり)アヤ17歳。高校二年生。
幼い頃に父親を亡くし、今は母一人子一人での二人家族。
その思わず男達が息を呑む、スラリと伸びて優美な肢体、澄んだ瞳に均整な顔立ち、モデルや芸能プロダクションのスカウトもまた何度となく受けているほど、美しい少女だ。
もっともいつの頃からか、そんな自分の存在意義や価値すらも、見い出せなくなっているのがこの今のアヤなのだが。
ピンポーン
インターホンが来客を告げる。
ふと携帯電話に目をやると、ユミからメールがきていた。
<今日学校行くよね?今から迎えに行くね!>
少々強引な気がするが、これが城崎ユミの性格である。
(とにかく起きるか!)
アヤはパジャマ姿のままリビングに向かう。
そこには母親に招かれたユミが腰掛けていた。
呑気にコーヒーなんか飲みながらだ。
「おばちゃん、いつもありがとう」
それほどうちの母と仲が良いわけではない。ユミは敬語をあまり使わないのである。