女神の微笑み
「Sが体から抜けるのって確か一ヶ月ぐらいだって聞いたことがある、だからその一ヶ月逃げてることを悟られないようにうまく逃げ通して、その後シラをきり通すか…」
アヤが続ける。
「それかいつも通り生活して逮捕されるの待つか、自首するか、こうなったらこの三つのうちのどれかしかないと思う、どれにするかは三人で決めよ?」
「そんなこと言われても、どうしたらいいの?!」
さくらは今にも泣き出しそうだ。
「アヤは、どれがいいと思う?」
しばらくうつむいたまま黙っていたユミが言った。
「単純に考えて逃げるのはリスクが高い上に多分成功はしない、それにうちら未成年なんだし、捕まっても前科にはならない。この状況で逃げるのはちょっとね」
「だね、なんかアヤがいればなんとかなる気がしてきた、できるだけ早く出れるようにすればいいってことだね。自首?」
アヤの落ち着きと冷静さに安心したのか、そう言ったユミも落ち着きを取り戻し始めたように見える。
「そう、早く出れるように…みんな早く出てこられるように賭けでもしてみる?」
「賭け?どんな?」
ユミが答え、さくらは黙っている。
「一番早く出た人に百万、とか」
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