女神の微笑み
自分が今思っていることですら100%はわからない人間が、人の気持ちなんかわかるはずがない。

でも…なんだろう。

なんか…うれしい?

人が人によってささえられているという意味の一つを、今のこの思いがさしているのだろうか。

決して全てを打ち明けたわけではなかったが、アヤのためにと思い続け、アヤのためにと白鳥のとった行動は、少なからず、確実に、<独り>だったアヤの心を動かした。

「ありがとうございます…白鳥さん」

でもやはり素直に、<うれしい>と伝えることはできなかった。

本当は伝えたかった。

でもできなかった。

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