女神の微笑み
場をなごますための冗談のつもりだった。
でも、
「おもしろそうじゃん！水商売でもすればすぐ稼げそうな金だし、さすがアヤだね、私のるよ！さくらは？」
「私…無理だよ、そんなの…大丈夫なの？」
さくらはまだ、今の不安が消せないらしい。
「大丈夫だって！三人共初犯だし、やっちゃったことも一緒。頑張り次第で誰が先出るかは神のみぞ知る！みたいな」
ユミはほぼ元気を取り戻しているようだ。
いや、そう見せているのかもしれない。
「かりにそうしたら期限はどうするの？」
まだ不安そうにさくらが問う。
「そうだ、どうするアヤ？」
このままでいいかも。アヤはそう思った。もちろんそれは冗談のつもりではある、でもこうすることでみなが早く出てこられれば、このいまわしい過去が、三人の中で薄れゆくのも早くなるかも。
「いつでもいいよ、払わなきゃそこで終わりだし。でも私は払ってもいいから、みんなで早く出られるように頑張ろ」
「じゃぁ私も払うことにしとく。さくらは？」
ユミが答えた。
「どうせ捕まっちゃうなら早く出られたほうがいいのは確かだけど…いいよ、やるよ」
あまり乗り気になれなかったさくらも、同意した。
ピンポーン
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表紙・目次

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