女神の微笑み
「さくら、いるかなぁ?」

歌舞伎町に着いてまず、ユミが言った。


「大丈夫、諦めないで探してれば絶対来るから!」


アヤは自身にも言い聞かせるようにそう答えた。

アヤにはさくらへの恨みなどない。

ただ、助けてあげたかった。

ユミもまた、いつか、あのアヤと出会った中学時代、嫌がらせを受けた先輩グループからアヤが助けてくれたことを思い出していた。

あの時は何よりも嬉しかったことから、誇らしかったことから、自分も同じように、さくらを助けてあげたいと、思っていた。

< 219 / 252 >

この作品をシェア

pagetop