女神の微笑み
やっといつものさくらに戻ってくれる、疑いの思いが完全に消えたわけではなかったものの、それがうれしくて、ユミはさくらに問いかけた。


「本当に、大丈夫?」

「うん!」


笑顔で答えたさくらを信じ、ユミは予(あらかじ)め用意しておいたナイフで、縛っていたロープを切った。

さくらがトイレを願った時でさえ、切ることは、はずすことはしなかったロープを、この時初めて、ユミは切った。


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