女神の微笑み
その時、その場を離れていたアヤが部屋の入り口に戻ってきた。

すぐに状況を知ったアヤが言った。

「何してるの?!」

「え?だって…」

ユミが答えかけたその時、さくらがユミの持っていたナイフを手に取り、入り口を塞(ふさ)ぐアヤに襲いかかった。

まさに一瞬の出来事だった。

落ち着きを取り戻してなどいなかったのだ。

麻薬に溺れ続けたさくらの症状が、そんなに早く、治(おさ)まるはずもない。


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