女神の微笑み
いくら、こわくても、どれだけ不安でも夜は来る。

何もおきないで、何もしないで、
もう私をほっといて!
そう願いながら、消灯の時を迎えた。

最初はいつもそうだ。

こうして布団にくるまり、なかなか眠ることができず、ただ必死に、何もおきないことを願う。

しばらく何もおきなかった。

さくらはほんの少し安心し、眠りにつこうとしたその時、

「見張れ」

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