女神の微笑み
美香がさくらの肩をつかみ、無理矢理、仰向けにした。
少し鼻息があらくなり、美香は興奮している。
いつもそうだ。
かわいい女をいたぶることに快感を覚えるのが美香だ。
イジョウだ。
最初の些細な嫌がらせは、さくらが自分の思い通りになるのか試していたのではないか。

そんなこと、今さら考えても何の意味もない。

また今日も<それ>は始まった。

目をつぶり、ただ涙だけはさくらの目から溢れ、ただ人形のように、全てをまかせたまま、時間が過ぎるのを待った。


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