女神の微笑み
しかし、この寂しさ以外の<何か>こそ、母の人生におけるもっともな<価値>ではないだろうか。
その<何か>を見つけることができれば、悲しみの中でも笑顔で、母を見送ることができるのではないか。

余命宣告、それはほぼ助からないことを意味し、残された時間が決められたと言うこと。
私はどうしたらいいの?
母の残された人生を、もっとも楽しく過ごさせるため、一緒に笑いながら過ごせばいいのだろうか?
それとも何がなんでも助けると、あらゆる努力に励むべきなのだろうか?
ドラマや小説にありふれて見慣れた風景が、こんなに難しい選択だったのかと感じたことはない。
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