女神の微笑み

アヤとユミの二人は同級生だけでなく、校内におけるほとんどの男達からちやほやされた。校内では誰があの二人を<もの>にできるかの、そんな話題が持ちきりだったほどだ。しかしもちろん、それをよく思わない女達がいる。

それは、アヤが学校を休んだその日におきた。

校内の女子達が、決して逆らうことをしない、三年生の先輩グループに、ユミは一人の時を狙われた。

帰宅前に、体育倉庫に呼び出され、一人だったユミは不安で、心細くて、怖くて、仕方なかったが、行くことを選ぶ。

でもやっぱり、行くべきではなかった。

倉庫に向かい、入るなり、頭からバケツいっぱいに溜めた水を被せられ、持っていた教科書は破られ、鉛筆なども残らず、壊された。

悔しくて、泣きたくて、されるがまま、何もできない自分に情けなさも感じた。
でもユミはこの時は決して、泣かなかった。

女達を睨みつけた。

そんなユミを見て女達は、笑っていた。

持っていたバックさえも引き裂かれ、ただ悔しくて、悔しくて、濡れた姿のままその場を後にした時、堪え続けた涙が、溢れ出た。

こんな時、アヤならどうしただろう…
何もできなかった自分が、何よりも悔しかった…