天使のなり方
プロローグ
大きな白い翼。
それは夜空を彩るネオンの光よりもはっきりと映える。
この漆黒の闇に埋もれてしまうことのない真っ白な翼は、この世のものとは思えなかった。
触れてしまうとすべてがこぼれ落ちてしまいそうな翼。
どうしてもその翼がほしかった。
手に入りそうで入らないその翼を持つことが許されているのは、たった一つの種族だけ。
神の使者として遣わされ、神意を人間に伝え、人間を守護する者…
そう、それはまぎれもなく…
“天使” だった。