天使のなり方
プロローグ

大きな白い翼。

それは夜空を彩るネオンの光よりもはっきりと映える。

この漆黒の闇に埋もれてしまうことのない真っ白な翼は、この世のものとは思えなかった。

触れてしまうとすべてがこぼれ落ちてしまいそうな翼。

どうしてもその翼がほしかった。

手に入りそうで入らないその翼を持つことが許されているのは、たった一つの種族だけ。

神の使者として遣わされ、神意を人間に伝え、人間を守護する者…


そう、それはまぎれもなく…

  “天使” だった。
< 1 / 35 >

この作品をシェア

pagetop