天使のなり方
「何そんなに険しい顔してるの？」

「へっ…!?」

いきなり話しかけられて、ねおんは低い声をあげた。

てっきり大也が声をかけて来たのだと思った。

しかし目の前で心配そうな顔をしているのは違う人物だった。

里谷 陵。


彼はクラスで女子から一番モテているであろう王子様的存在の人物だ。
色白でややタレ目ではあるが、整った顔だちをしている。髪の色は黒に近いが色素が薄いのか光の加減で茶色にも見える。

ねおんの陵への第一印象はさわやかな笑顔が似合う人だった。

「…あ、里谷くん。……いやちょっと考え事しててね」

「白羽さん、ＨＲの時からぼーっとしてたし、どこか体調悪いのかと思った。大丈夫？」

陵は本気でねおんのことを心配してくれているようだった。
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表紙・目次

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