天使のなり方
大也はくるりと回れ右をした。


「さすが、ねおん。そうこなくっちゃね」

にかっと笑う大也に、絶対こんなやつに邪魔されないんだからと心に誓うねおんだった。

再びねおんのそばにやって来た大也は、ねおんの耳にだけ聞こえるような小さな声で、またよろしく頼むよと囁いた。

ねおんは大也を思い切りさけて

「黒須君、……ちょっと近すぎるんだけど」


笑顔のままで両手で大也を遠ざける。


「……つれないなぁ。まっ、とりあえず学校案内から頼むわ」

嫌がるねおんを見るのを楽しむかのように、大也はニヤニヤしている。

完璧大也に振り回されてる気がすると思いながら、ねおんは帰りの支度を再開した。
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