天使のなり方
焦り
夕暮れの校舎。


「……で、その奥が第二理科講義室。この上の階には実験室があるわ……」

「なるほどねぇ……結構広いんだな。地上(こっち)の学校も……」


ねおんと大也は誰もいない校舎をゆっくりと歩いていた。

結局ねおんは、大也に学校案内をすることになり今に至っている。


「まあね、この学校生徒も1000人は軽く越えてるしね。私も来たばっかの頃は、よく迷子になったもの……でも慣れたら大丈夫よ」

「俺はねおんじゃないから、迷子になんかならねーけど」



「……悪かったわね、方向音痴で。大也、あんた久しぶりに会ったと思ったら、むちゃくちゃ口悪くなってるじゃない。昔はあんなに素直だったくせに……」

「いつの話持ち出してんの。誰だって変わるもんだよ……いつまでも子どもなのはお前ぐらいだよ」

大也は、持っていた鞄で軽くねおんの頭をこずいた。



この二人を周りから見れば、どこからどう見ても、いちゃついているラブラブ美男美女カップルにしか見えないだろう。
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