天使のなり方
「……っもう!!これで学校案内は終了!!大也、もう私に関わらないで。それに美子にも余計なこと言わないでよ」
ねおんは大也を睨みながら言った。
「……お前さ、そんな事気にする時間あったら、早く見習い卒業しろよ。そうすりゃ、俺が口滑らすのにびくつく必要ないだろ」
「…………」
大也のその当たり前の言葉に、言い返すことができなかった。
ねおんのいつもの返しがないことに驚いた大也は、少し動揺してねおんの顔を窺った。
「おい、どうしたんだよねおん。いつもの元気がねえじゃんか……」
「……そんなこと……私が一番わかってるわよ……」
ねおんはうなだれて、スカートの裾をぎゅっと握り締めていた。
「そうよ……私だけよ。いつまでも見習い卒業できないでいるのなんて。同期の子はさっさと卒業しちゃって……ホントなんで私だけ……」
泣いているのか、心なしか肩が震えている。
「……そんなマジになるなよ。ねおん、焦ることはないって……お前は自分のペースで頑張ってるんだろ。それでいいんだよ」
少し間の悪そうに大也はねおんの肩に手を置いた。