天使のなり方
「今、私の頭の中で一番いなくなって欲しいことなんかひとつしかないわよ……」
「黒須くんのこと?」
「とーぜん!!」
「そんなに気になるんだ……やっぱりあのルックスの良さに、気さくな性格。気になるのも無理ないよね~」
美子のその言葉を聞いた時、ねおんは固まった。
「ちょっと美子!!何勘違いしてんの!!あいつは気になるとかそういう次元じゃないって……しかも性格も最悪よ!!」
大也の性格の悪さを知っているのはこの学校ではねおんだけである。
美子を含む学校の皆は大也の外面の良さにまんまと騙されているのだ。
美子はねおんの言う事を信じるはずもなく、ねおんの肩をバシバシ叩きながら笑った。
「あの黒須くんの性格のどこが最悪なの?誰がどこから見たってパーフェクトって答えると思うけど……」
「だから騙されてるの!!」
「誰に……?」
「黒須大也!!」