天使のなり方
「ずいぶんな事を言ってくれちゃってるね~。ねおん」
涼しげな、しかし黒い声(そう感じるのはねおんだけだが…)が響いた。
声のする方へ顔を上げる。
黒須大也。
そこにいたのは今ねおんが一番会いたくない人物だ。
「げっ!?」
「あっ、噂をすれば黒須くんじゃない……」
ねおんと美子の声が同時に上がった。
「噂をされるのは光栄なんだけどね…ねおんさーひどいこと言ってくれるじゃん。俺傷ついちゃうし…」
「何気持ち悪いこと言ってんのよ!!傷つけようと思って言ってるんだから、傷ついてもらって光栄だわ」
ニコニコと笑う大也にねおんは目一杯の嫌味を言い放った。
二人の周りには、誰がみても混ざり合わない険悪な空気がただよっていた。
「ねおん…さすがにそれは言い過ぎでしょ」
見兼ねた美子がやんわりとフォローを入れようとしたがその効果もなく大也はニコニコ、ねおんはイライラのオーラを出して牽制し合っている。