嘘と正義と、純愛と。
広海くんのアパートについて、頭の中でおさらいする。
〝必要以上に近づかない。なにかあったらすぐに外に出る〟
それを再確認して、インターホンを鳴らした。
応答されるまで、変な緊張感が襲ってきて心臓が破裂しそう。手に汗を握りながら玄関の前で立っているけど、一向に返事がない。
おかしいな……。寝てるのかな?
そう考えた直後に嫌な予感が頭を過る。
……まさか、熱で倒れたりしてないよね?
室内の悲惨な光景を思い描き、焦燥感に駆られる。
もしも一刻を争うようなことになってたら。
こんなモタモタしてる暇ない。
ドアノブを回すと、鍵が開いていた。
そっと覗き込むように部屋の中を窺いながら声をかけてみる。
「ひ、広海くん? 大丈夫?」
その問い掛けに、やっぱり返事はなくて、私はそろりと玄関に足を踏み入れた。
「広海くん……?」
カーテンが引かれた部屋は薄暗い。
目を細めて部屋を見ると、ベッドに突っ伏した広海くんがいて驚いた。
「えっ、だ、大丈夫?!」
慌てた私は靴も揃えず脱ぎ捨てて、広海くんの横へと駆け寄った。
ぐったりとした表情をして、目を開けない。それを見て、私はますますパニックになってしまう。
うそ! まさか、本当にこんなことになってるなんて……!
オロオロとする私の気配に気づいたのか、掠れた声が聞こえてくる。
「茉……莉?」
「広海くん! 大丈夫なの?!」
薄らと開いた瞳を覗き込んで声を掛けると、広海くんは怠そうに口を開く。
「……全然、大丈夫じゃないよ」
〝必要以上に近づかない。なにかあったらすぐに外に出る〟
それを再確認して、インターホンを鳴らした。
応答されるまで、変な緊張感が襲ってきて心臓が破裂しそう。手に汗を握りながら玄関の前で立っているけど、一向に返事がない。
おかしいな……。寝てるのかな?
そう考えた直後に嫌な予感が頭を過る。
……まさか、熱で倒れたりしてないよね?
室内の悲惨な光景を思い描き、焦燥感に駆られる。
もしも一刻を争うようなことになってたら。
こんなモタモタしてる暇ない。
ドアノブを回すと、鍵が開いていた。
そっと覗き込むように部屋の中を窺いながら声をかけてみる。
「ひ、広海くん? 大丈夫?」
その問い掛けに、やっぱり返事はなくて、私はそろりと玄関に足を踏み入れた。
「広海くん……?」
カーテンが引かれた部屋は薄暗い。
目を細めて部屋を見ると、ベッドに突っ伏した広海くんがいて驚いた。
「えっ、だ、大丈夫?!」
慌てた私は靴も揃えず脱ぎ捨てて、広海くんの横へと駆け寄った。
ぐったりとした表情をして、目を開けない。それを見て、私はますますパニックになってしまう。
うそ! まさか、本当にこんなことになってるなんて……!
オロオロとする私の気配に気づいたのか、掠れた声が聞こえてくる。
「茉……莉?」
「広海くん! 大丈夫なの?!」
薄らと開いた瞳を覗き込んで声を掛けると、広海くんは怠そうに口を開く。
「……全然、大丈夫じゃないよ」