嘘と正義と、純愛と。
翌朝は寝不足だった。
夜になっても、ぐるぐると思考を巡らせてしまって、全然寝付けなかったから。
決めるのは、私。
斎藤さんに言われた言葉が離れなくて、延々と自分の気持ちを考えていた。
朝方までそればっかりが脳内を占拠していて、根源であるはずの広海くんの浮気は、信じられないほど私に影響を与えなかった。
空が明るくなってきたころに、唯一わかったのはそれだけ。
でも、それって一番重要なことかもしれない。
私……前までの私じゃなくなってる。
眠い頭でぼんやりと考えながら、いつもの駅に着く。
ホームに足を踏み入れると、私は頭で考えるよりも先に、身体があの人を探していた。
広いホームの左右を見渡し、黒い帽子の人を探す。
あぁ、でも、昨日は帽子かぶってなかったし、普段の斎藤さんならスーツ……。
「1番線に列車が到着致します」
アナウンスが聞こえたのをきっかけに、彼の影を追うのを断念した。
そんな都合よくそう何度も出会えるわけがない。
こんな人が多い駅よりも、職場での方が会える確率高いじゃない。
納得させるように心の中で呟くと、今日も人の波に流されるようにして車両に乗り込んだ。
夜になっても、ぐるぐると思考を巡らせてしまって、全然寝付けなかったから。
決めるのは、私。
斎藤さんに言われた言葉が離れなくて、延々と自分の気持ちを考えていた。
朝方までそればっかりが脳内を占拠していて、根源であるはずの広海くんの浮気は、信じられないほど私に影響を与えなかった。
空が明るくなってきたころに、唯一わかったのはそれだけ。
でも、それって一番重要なことかもしれない。
私……前までの私じゃなくなってる。
眠い頭でぼんやりと考えながら、いつもの駅に着く。
ホームに足を踏み入れると、私は頭で考えるよりも先に、身体があの人を探していた。
広いホームの左右を見渡し、黒い帽子の人を探す。
あぁ、でも、昨日は帽子かぶってなかったし、普段の斎藤さんならスーツ……。
「1番線に列車が到着致します」
アナウンスが聞こえたのをきっかけに、彼の影を追うのを断念した。
そんな都合よくそう何度も出会えるわけがない。
こんな人が多い駅よりも、職場での方が会える確率高いじゃない。
納得させるように心の中で呟くと、今日も人の波に流されるようにして車両に乗り込んだ。