嘘と正義と、純愛と。
まだ明るい街中を、斎藤さんと並んで歩く。
外に出た瞬間に、繋がれていた手は彼の方から離されてしまった。
この時間に手を繋いで歩いてなんかいたら、誰かに見つかるのかもしれない。知り合いなんかに見られたりしたら迷惑なんだと思った。
職場の人とか、取引先の人とか……彼女、とか。
悶々としながら俯きがちに歩いていると、背後から視線を感じて足を止める。
「どうした?」
「いえ」
ただの自意識過剰だって言い聞かせてるんだけど、やっぱりなにか気配を感じる。
でも、そんなこと、確証もないのに簡単に言えない。
言葉を濁していると、斎藤さんが足を踏み出したのでそれに倣って歩き出す。
すぐに、斎藤さんが目で急に駅への方向から逸れるように、脇道に促したのに気づいて戸惑ってしまう。
すると、彼が私の手を握り、突然走り出した。
「さっ、斎藤さん……!?」
「ちょっと頑張れよ」
「えっ!」
人を縫うようにして、右へ左へと目まぐるしく景色が流れる。
決して走りやすいとは言えない靴だったけど、『頑張れよ』と言われた通りに必死に駆けた。
どのくらい走ったかわからない。
でも、こんなに必死に、全力で走ったのなんか学生ぶりだ。
そろそろ足も限界になりそうな頃、とあるビルに駆け込んだ。
斎藤さんの背中しか見てなかったから、このビルがどこのものか、全くわからなかった。
息を切らして斎藤さんを見ると、彼は少し肩で息をする程度でびっくりした。
男の人ってこんなに体力違うものなの?
呆然として見つめていると、斎藤さんが徐に手を放して上着を脱いだ。
急に服を脱がれて内心驚いたけれど、すぐにそれは走ったせいで熱くなったからだとわかった。
薄いブルーのワイシャツ姿に、再度目を奪われる。
上着越しにはわからなかったけれど、汗で少し貼りつくようなシャツが彼の肉体美を魅せている。
そういえば、何度も触れてる斎藤さんの手も、すごく綺麗で力もあった。
この身体を見れば納得だ。
外に出た瞬間に、繋がれていた手は彼の方から離されてしまった。
この時間に手を繋いで歩いてなんかいたら、誰かに見つかるのかもしれない。知り合いなんかに見られたりしたら迷惑なんだと思った。
職場の人とか、取引先の人とか……彼女、とか。
悶々としながら俯きがちに歩いていると、背後から視線を感じて足を止める。
「どうした?」
「いえ」
ただの自意識過剰だって言い聞かせてるんだけど、やっぱりなにか気配を感じる。
でも、そんなこと、確証もないのに簡単に言えない。
言葉を濁していると、斎藤さんが足を踏み出したのでそれに倣って歩き出す。
すぐに、斎藤さんが目で急に駅への方向から逸れるように、脇道に促したのに気づいて戸惑ってしまう。
すると、彼が私の手を握り、突然走り出した。
「さっ、斎藤さん……!?」
「ちょっと頑張れよ」
「えっ!」
人を縫うようにして、右へ左へと目まぐるしく景色が流れる。
決して走りやすいとは言えない靴だったけど、『頑張れよ』と言われた通りに必死に駆けた。
どのくらい走ったかわからない。
でも、こんなに必死に、全力で走ったのなんか学生ぶりだ。
そろそろ足も限界になりそうな頃、とあるビルに駆け込んだ。
斎藤さんの背中しか見てなかったから、このビルがどこのものか、全くわからなかった。
息を切らして斎藤さんを見ると、彼は少し肩で息をする程度でびっくりした。
男の人ってこんなに体力違うものなの?
呆然として見つめていると、斎藤さんが徐に手を放して上着を脱いだ。
急に服を脱がれて内心驚いたけれど、すぐにそれは走ったせいで熱くなったからだとわかった。
薄いブルーのワイシャツ姿に、再度目を奪われる。
上着越しにはわからなかったけれど、汗で少し貼りつくようなシャツが彼の肉体美を魅せている。
そういえば、何度も触れてる斎藤さんの手も、すごく綺麗で力もあった。
この身体を見れば納得だ。