Someday ~私がいた夏~
 家に帰る高速バスは、ちょうど真ん中あたりのバスセンターで10分の休憩がある。

そこで、半分くらいの人が降りていった。

 バスは急に人気が少なくなる。


 私はずっと緊張したままだったせいか、少し喉が渇いていた。

 ヤスノリさんは、降りる人のために一旦バスを降りてそのまま姿が見えない。



 ふっと肩の力が抜けて、軽く目を閉じた。



 そっとヤスノリさんの後姿を思い浮かべる・・・。





「隣、いいかな?」



 私は、その聞き覚えのある声に驚いて目を開ける。



 ヤスノリさん・・・。


「あ・・・はい。ど、どうぞ。」


 おとなしくしていた心臓が急に暴れだす。

 
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