Someday ~私がいた夏~
 とうとうバスはインターチェンジを下りてバス停に近づいてきた。

このまま、また見つめるだけの関係になるのは嫌だった。

 ヤスノリさんは、仕事が休みで・・・私がこっちにいる間は出勤しない。


 
(今、勇気を出さないと・・・。)



「あの・・・。残りの休みの予定って何かあるんですか?」

「いや?なーんもない。寝るくらいかな?」

「そうなんですか・・・。」

「うん。どして?」

「よかったら・・・遊びませんか?」

「ん?」

 一瞬沈黙のあと、急に笑い出すヤスノリさん・・・。

私は、状況が理解できなくて・・・。


「お前、遊びませんか?って・・・あははは。一緒にファミコンでもするのかょ。」

「え・・・そういう意味じゃ・・・。」

「そういう時は、会いませんか?じゃね?」

「あ・・・すいません・・・。」

「かわいいなぁ~。」

「・・・・・・。」

「明日、暇なら会おうか?」

「いいんですか?!」

「いいよ。俺ん家の番号・・・わかるよな?」

「はい・・・。」

「じゃあさ、明日、昼前に電話くれる?そのときに。」

「わかりました♪」

「おう。じゃ、またな。」


 ヤスノリさんは・・・そう言ってバスを降りていった。


 残された私は、この急展開を受け入れられないまま終点のバス停に向かった。
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