Someday ~私がいた夏~
 バス停のベンチに座ったまま、私たちはおしゃべりに花を咲かせた。
あんまり夢中になりすぎて、彩ちゃんは5本もバスを乗り過ごした。

「いいんだよ、別に。家帰ってもすることないしさ。」

そう言って笑った彩ちゃんの顔は、いつもみたいにクールな感じじゃなく、ホントにフツーの高校生だった。

 さすがに寒さに耐えきれなくなって、私たちはバイバイした。

 帰り道の私の心は暖かかったけど。


 約束の土曜日まで…あと3日。


 早く康紀さんに会いたい。

< 39 / 51 >

この作品をシェア

pagetop