Someday ～私がいた夏～

　日曜日、私は彩ちゃんと待ち合わせた駅に向かった･･･アリバイのための勉強道具を持って。少し早めに着いたつもりだったけど、すでに彩ちゃんは待っていた。

　彩ちゃんは、うっすらと化粧をしていて大人のオーラが出てる。制服のときとはまた違う雰囲気で少し圧倒されそうになった。私たちはマックの端っこの席について話し始めた。

「何かあったから、あんな声だったんでしょ？」
「あんな声？」
「なんていうか･･･軽くパニクッてる感じだった。いつもの石原らしくない感じ」
「ね、彩ちゃん。大人の男の人ってさ･･･彼女でもない女の人と手とかつないだりするの平気なのかな？」
「へ？昨日つながれたとか？」
「うん･･･」
「それで悩んでた？」
「悩んでるっていうか･･･嬉しいんだけど、でもあの人が私のことどう思って、そういうことするのかな？とか、会ってても行動が大人すぎて、釣りあってないのかな？って落ち込むし。昨日も別れてから泣いちゃってさ。」
「石原の気持ち、良くわかるよ。自分が幼い気がして引け目感じるみたいなね。」