テンポラリー・ジョブ
昼の休憩時間。 

大輔は、ひとり会社の屋上で冷えた缶コーヒーを飲んでいた。

雨雲が空を張り巡らして灰色になっていた。

大輔は、会社の作業服を脱いで白のワイシャツ姿になった。

赤と紺のレジメンのネクタイをゆるめて考え事をしていた。

三日前の朝、大輔は専務に呼び出された。

今回の不祥事の処分だった。

内容は、九州の工場への転勤だった。

エンジニアの仕事ではなく、組み立ての仕事だと専務から告げられた。

その時、大輔は左遷されることを実感した。

 

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