テンポラリー・ジョブ

第３章

同情

朝。
真美は、子供を保育園のバスに乗せた。
バス乗り場から自宅までの道を歩きながら、知恵のことを心配して携帯電話をかけた。
　
「それで言えなかったわけ、信じられないわ！　」

真美は、携帯電話であきれた顔で知恵に言った。

知恵は、大輔が会社を辞めることを知って、妊娠のことを告げれなかったことを話した。
　
「それで、知恵は、どうする気なの？　このままだと、お腹だって大きくなっていくことだし、大輔さんにも妊娠のことわかるのは時間の問題だよ・・・それに、知恵だって産休しなきゃいけないのに、大輔さんが仕事を辞めたら、生活だって心配じゃないの？」

真美が問い詰めるように尋ねた。