テンポラリー・ジョブ
大輔が会社を辞めて十日間が過ぎた。

大輔は、就職活動をしていた。

自分のキャリアと実績を考えれば、再就職もすぐに出来ると思っていた。

しかし、年齢的な部分と車のエンジニアの職種の求人は狭いものだった。

知人を通して二社ほど面接を受けたが、採用はされなかった。

日曜日の朝。

二人で朝食をしていた時、大輔は新聞の求人欄を見た。
自分にあう職種がないことに、少し落ちこんだ様子でため息をついた。

「そんなに落ち込まないで、そのうち仕事は見つかるわよ」
と、知恵は大輔を励ます。

しかし、大輔は、仕事が決まらないことに、あせりともどかしさを感じていたため、
「お前には、わからないんだよ。現実の厳しさが!」 
と、つい知恵にあたってしまった。
 
その時、知恵につわりが始まった。

知恵は慌てて洗面台に駆け込んだ。

大輔も心配して駆け寄ってきた。
 

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