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「座らない?」


野原さんは端っこにあるベンチを指差した。


「あっ、うん」


あたしは野原さんに促されるままベンチに腰をかけた。


「佐々木さんのクラスの征志…遠藤居るでしょ。私と付き合ってるんだ」


うん、うん。
知ってる。



「前までは付き合ってることバレないように学校では一緒に居なかったんだけど」



聞いた。
遠藤から。
野原さんがモテすぎるからだよね。



「でもね…。私、征志を誰にも盗られたくないと思ったの」


!!



「さっきも言ったけど私、こんなじゃなかったのよ。プライドだけはやたら高いから何があったって平然と知らん顔できた筈なのに」

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