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帰りがけに文香があたしに声を掛けた。


「いちごがさ、昼休み終わってからあたしに佐々木さんの事はほっといてあげてって言われたんだけど」



……。



「文香は‥。いったい何がしたいの?」


あたしが聞くと文香がふっと笑った。



「わたしの事、嫌な女だと思った?だけどこれでもいちごを大事に思ってるだ。それが何か悪い?」


悪くないよ。
別に。
なにも。


「いちごはね。案外傷つきやすいの。誰かがしっかり守ってあげなくちゃ」


文香はぶっきらぼうに言った。
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