弱気な俺の恋
「迷惑なんだけど!?」


研究所の入口から

不機嫌な結の声が聞こえた




?「あんた、邪魔なんだけど…」


結「はいはい!すみませんね!
単なる居候に目くじら立てて
ばかじゃないの?」

何事かと、様子を見に行こうとしたら

ガチャ

「ごめん、騒がしくて…」

「嫌がらせ?」

「うん…そんなとこ?…かな」



にっこり笑う


結は、案外嘘が下手だ


「ムリすんなよ」

「はぁーい」


大学内で、結が揉めているなんて
聞いたことがない

いつも、皆の中心で気を使っている


〝居候〟というキーワード


きっと…


彼の浮気相手だろう


1週間に1度、多い時で3日に1度

その子は現れた


「よっぽど暇なのね」


結は、適当にあしらっている


「俺が言ってやろうか?」

「いいよ…ほっときゃ来なくなるでしょ」





6月も終わる頃



『今日、休みます』




結が休んだ

Y大に行く日だった


確認したいこともあったし、体調が気になって

昼過ぎに電話をしたけど

つながらなかった







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