弱気な俺の恋
月1回も、辛かった

「バンド終わりにしたい」


言いだしたのは、結だった

レントとセージもその場にいた

「レント、セージ……仕事引き継いで貰ったり、我が儘ばかりで、ごめん
やめていいかな?」


俺達の雰囲気に、2人は反対の言葉すら言わず、コクッと頷く


俺達は泣いた


ただ1人、結は泣かなかった


「私達4人の絆は、Dr.Tとして残る!」

誇らしげに言った








promiseのメジャーデビュー記念で、また
テレビ番組に出演した


俺は、今日、一大決心をした


普段じゃ言えないから、ステージで
告白しよう

結にギターを後ろから、かけた

「俺の好きなナナは、恋愛卒業っていつも言うけど、全然卒業してなくて
泣かされっぱなしなのに、そいつばっかり好きで、俺のことなんて演出だと思って
相手にもしてくれないけど
俺… 」


そこまでマイクを通したけど

その先は、結にしか聞こえない声で言った


「余命宣告貰った」


結の目が見開き、固まった


「残りの時間を結と過ごしたい」


ナナではなく、ちゃんと結と言ったのは
俺の本気が伝わるように

今日は、好きという言葉を使わなかった

また、冗談にとられたくなかったから


とはいえ、番組を潰す気はない


結の頭を撫でると、我に返ったらしい








その夜、夜更かしをした


「あと、どれくらい?」

「ん?6ヶ月って言ってたけど、結がいてくれるなら、もっと伸びるよ?」

「本当に?」

「うん!ラストライブが終わったら
1度シェアハウスに帰りなよ!
梨花さんを見送ってあげて!休みは俺といてくれない?」

「うん!奏汰といる!てか、このまま一緒に暮らそうよ!!あたし、引っ越すよ!」

「ダメ!!」


「なんで?」


「ちゃんと考えがあるから!!
結の本拠地は、シェアハウス!!
いいね?」

「……うん」

納得いかなそうだけど、俺がダメ!!っていうことあんまりないから、威力があるらしい!! 使えるな!!


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