弱気な俺の恋
気がつけば、余命宣告を受けて

半年


宣告前と同じ生活を過ごせたことに

死への恐怖より。

生きている喜びが大きい



もう… 



ステージに立つことはない


そう思ったのに


五月祭、promiseの撮影協力をすることになった

嬉しかった


もう一度立ちたいなんて、言えるはずもなかった

残りわずかなこの命を必要としてくれる仲間がいる


幸せだ



ステージで、結に言った


「これ終わったら、旅に出よう!」

「いいね!!」

快諾してくれた



観客の中に浩一君を見つけると、手を振る


どんだけ目がいいの?って思ったけど

結の目は、むしろ悪い


最近は、疲れているのか


俺にもわかるほど悪い







荷造りをして、結が俺の部屋に来た

大きな口を開けて立ち尽くしていた


「何これ」

「今日、明け渡しなんだ」


何もない部屋に驚いていた



無事に明け渡しして、旅に出る



行き先は、内緒



「ケチ!!教えてくれてもいいのに!!」



怒る




「まっいっか」




笑う





このパターンが気に入っている


わざと怒らせたくもなる





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