一瞬の風になれ

交通事故




気がついた時には、あたしは病院のベッドの上だった。




それと途端に、涙がどんどん溢れてきて止まらない。




「先輩…先輩…」




病院の個室、あたしの隣には確かに井上先輩がいた。




笑って
「結婚しようね」

って




何度だって頷けるけど、あたしだって頭では理解している。




先輩が




死んだ事を。





もう3日前のあの事故で先輩が亡くなったなんてわかってる




あの時、
車が突進してきて車道側に歩いてた先輩が

あたしを庇って
手を握りしめた時、一緒に車とぶつかったんだ




あたしのせいで





先輩はこの世から消えたんだ。




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