一瞬の風になれ
今日は風がきついな…
ホールについた時も風が髪を荒らした。
あ゛ー
今日今までの成果が出るんだよね…
頑張らなきゃ…
楽屋に入ってトランペットのチューニング。
皆で音を合わせるためだ。
あたしはしきりに手のひらに「人」をかいて食べる。
何度も何度も。
あと、10分すればあたしたちは舞台袖に行って
なんやかんやして本番なんだ…
どうしよう
食べても食べても
食べた気にならないよぉ…!!
「当たり前でしょーがι」
美帆があたしの頭を叩いた。
「ひ、酷い…ι」
「ちゃんとネックレス着けてきた?」