一瞬の風になれ
グランドで各々の練習をする陸上部には、この暑さにも活気ずいていた。
あたしはとりあえず日陰のベンチに座りトランペットを構えた
中2の女の子。
トランペットも大事だけど、彼氏が気になる年頃です
トランペットを構えたままグランドを見渡す。
だけど彼氏はいない…
「小谷野さん♪」
「わぁっ!!」
探していた人がすぐ隣に座っていたのは、それは相当ビックリするものだった。
「井上先輩ぃι」
あたしの彼氏は年上。
次の大会で引退だ
「練習どう?」
先輩が楽譜を覗く、この距離が恥ずかしくて堪らない。