訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「絢……」
体が自然と逃げようとするのを、拳をギュッと握り締め抑止する。
「良かった、会えて。明日、帰らなくちゃいけなかったから」
昨日のことを気にしているのか、少し離れて話し掛ける絢。
どことなく寂しげな表情を浮かべている。
流石に昨日のは、言葉尻が強過ぎたか。
「そっか」
「……少し、話せる?」
今なら話せるかもしれない。
いや、今しかない。
きちんと、俺の気持ちを絢に伝えよう。
「あぁ。俺も絢に、話しておきたい事があるんだ」
港の奥にある灯台への道を二人並んで歩き出す。
はたから見れば、恋人同士に見えるかも知れないが
俺たちには、人ひとり間に入るくらいの距離が自然と出来ていた。