訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「ごめんなさい、悪く言うつもりはないの。ただ……勿体無いと思って」
「絢の気持ちは嬉しいよ。だけど、もう美容師には戻らない」
もう、あの頃の俺たちには戻れない。
都会の生活は、便利でいいけれど殺伐としてる。
けれどこの島の生活は、ほのぼのしていて人間味が溢れ温かい。
自然も豊かだし、今の俺にはココの生活が合ってると思う。
「どうして……やっぱり、私のせい?」
シュンと項垂れる絢。
一度は結婚も考えた相手だけに、情が消えた訳じゃない。
反射的に励まそうと、手が彼女の肩へと伸びようとしたが
その手をグッと握り締め、視線を海に向けた。
「……あれは、誰の責任でもない。強いて言えば、俺が気付くべきだったんだ。目の前のことに夢中で、1番考えなきゃいけないお前のことを失念してた。悪いと思ってる」
「……だったら……てよ」
俯き小さな声で言った彼女の声は、風にかき消され
言葉がうまく聞こえなかった。